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インフレとデフレの話

日本は長らくデフレを経験して、そしてインフレに戻そうと政府や日銀が頑張っています。インフレやデフレというのは物価上昇率のことで、日銀は物価上昇率2%を至上命題として頑張ってきました。しかし、2%物価が上昇したからといって、我々の日々の暮らしに何の影響があるのでしょうか?デフレ脱却といっても、そもそもなぜデフレがまずいのかというのもわかりにくいところです。むしろ、物価が安くなっていいと思う人がいたとしても不思議はありません。

この物価というのは体感的にはたいしたことの無いような経済現象なのですが、人間の体でいうところの血液の状態に似ています。血糖値が高かったらそのときは何ともなくても、いずれは糖尿病などの重大な病気になるでしょう。物価もわずか数パーセントの違いでも経済や日本社会に大きな影響を及ぼす重要な数値なのです。

物価を決めるのは基本的には需要と供給です。人類の歴史をみるとだいたいの時代において供給が不足しています。いわゆる物不足というものです。昔はほとんどの人が農業に従事していて、食べるだけでも精一杯でしたが、産業革命が起こり生産性が高まると、食料確保の苦労から人類は解放されていきます。今では生産調整をしないと、農産物は値崩れするといった問題までおこるようになりました。

インフレの世の中は需要はあるのに供給が不足しているため、基本的に求人が多いです。また、給料も上がりやすいのですが、インフレですので物価も上がって暮らしにくいと感じることもあります。作れば売れるといったように世の中に活気があり、新しいことにチャレンジしていく投資意欲にあふれています。

一方、デフレの世の中は供給過多のため求人が少ないです。就職が難しく働けたとしても給料が安い非正規になることもあります。給料は上がりませんが、物価も上がらないという ところでバランスはとれています。しかし、次第に失業が問題になっていきます。いくら物価が安くても失業していたら消費はできないので更なる需要の低下を招いていきます。 ものが売れないので、企業は新製品の開発より人件費の削減に精をだすようになり、やがて経済全体が先細るようになります。

このようにインフレは将来に向けて前進していくようなイメージなのですが、デフレはだんだんと下向きになっていくような真逆の方向性をもっています。長期的にみると物価は社会のありかたそのものを大きく変えていきます。インフレは新しい技術や製品などの供給力が拡大していき、デフレはすでにある技術力の低下や生産性の縮小を招きます。

もう経済成長はいらないと思われる方でも、今の生活水準が下がるのは問題だと思われるのではないでしょうか。うまい具合にピッタリとゼロ成長といけばいいのですが、野球の試合でわざと同点にするのが難しいのと同様、物価をゼロにするのは至難の業なのです。ゼロにしようとしてマイナスに落ち込んだりするくらいなら、日銀の掲げる2%程度のゆるいインフレにするのが一番良い方法だと言えます。

経済的な豊かさというのは、欲しいときに欲しい物がすぐに手に入るということです。お金があるということではありません。お金があってもお店に商品がなければ買えないからです。モノやサービスを供給する力こそが経済力ということになります。デフレはこの供給力、つまり経済力を低下させる原因になります。

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