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ビットコインとは何か？
最近ビットコインという言葉を耳にすることが多くなってきました。しかし、ビットコインがどういうものであるかというのは、なかなか理解が難しいところです。一言でこのビットコインを表現するなら「郵便為替のようなもの」と言えるでしょう。
郵便では現金は送れないので、通常は現金書留か為替にして送ります。窓口で送金するお金と手数料を払うと、為替の証書をもらえるのでそれを郵送します。受け取った人は再び窓口で現金に替えるわけです。ビットコインを現金に交換して相手に送ると、受け取った人は再び現金に交換します。ビットコインは決済手段の一つと言われるのは、このような利用の仕方をするためです。
郵便為替と違うのは世界中どこにでも送金できるのと、10分ほどで送金完了できる早さです。クレジットカードでも同様のことは出来ますが、手数料がより安く利用できるということと、個人情報などを必要としない安全性の高さも特徴となっています。このような性質があるため、主にネットショッピングやオークションといった商取引でひろく利用されています。サトシ、ナカモトという日本人の論文がもとになっており、2009年から利用が開始されました。
郵便為替は半年以内に窓口で現金に交換する必要がありますが、ビットコインに現金への交換期限はありません。そのため、ビットコインのまま保持し続けて、次の取引のときに使う場合もあります。そうするとビットコインは一種のお金のような性質をもつことになります。
少し送金するということを考えてみたいと思います。
福岡銀行から佐賀銀行に１万円を送金したとします。福岡銀行の残高を１万円減らすと同時に、佐賀銀行の残高を１万円ふやす操作をします。このような操作をすることで「送った」ように見えるわけです。完全に電子的な操作なので、本当に何かを送ったわけではありません。また、電子的なものなので、間違えると証拠がありません。福岡銀行の口座を１万円減らしたのに、佐賀銀行の口座を増やさなかったら１万円がこの世から消えてしまいます。
実際にこのようなことが起きることはまず考えられませんが、技術的な話としてはあり得るわけです。一方を減らして一方を増やすといった、矛盾が無い状態を保つことをコンピュータ用語でトランザクションといいます。ビットコインはこのトランザクションの仕組みが、きわめて高くなるように設計されています。つまり、送ったコインが消えてしまったり、送られてもいないコインを不正に受け取ったりすることが、できない仕組みになっているのです。
ビットコインというのはインターネット上でやりとり出来る数字にすぎません。日本の田中さんからアメリカのキャサリンに数字を送ったというだけで、本来、経済とは関係のないネット上のやりとりにすぎないのですが、この数字のトランザクションを保証する仕組みが非常に優秀なために、為替として使っても大丈夫だろうというのがビットコインの正体です。
2015年7月現在、１ビットコインが35700円くらいで取引されています。ビットコインの価値はこのトランザクションの堅牢性によって支えられています。逆に言うとウイルスやハッキングといった行為によって、ビットコインの堅牢性が崩れたときは、ビットコインの価値がなくなることになります。
送金の仕組みはgoogleなどが管理している訳ではなく、ビットコインネットワーク参加者と呼ばれる人たちによって支えられています。送金のときに支払った手数料はこれらの参加者が受け取ります。郵便為替の場合は郵便局が手数料を受け取って配達するわけですが、ビットコインは参加者が手数料を受け取って相手先に送金するわけです。
専用のソフトをインストールすれば誰でもネットワークに参加することが可能です。ソフトをインストールすると、ビットコインを利用している人のすべての残高情報や送金情報が一緒にダウンロードされます。この情報は常に更新されていて、どの参加者のパソコンにも同じ情報が入っています。なので、不正に自分の口座残高を増やそうとしても、他の人の情報と違っていたらすぐにばれてしまいます。また、口座を作るときに個人情報は一切必要がないため、残高や送金履歴が閲覧できても、個人を特定することは出来ません。
送金するときはこれらのソフトを入れた参加者に送金者と受取者、金額が知らされます。そもそも送金する人がそれだけのビットコインを持っているか？というところからチェックが始まり、不正が無いかどうかと言ったことまで共通の台帳を使って調べられます。確認されたデータは台帳の最後に書き加えられます。このような一連の作業の見返りとして手数料が参加者に支払われています。