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銀行の役割

銀行にお金を預けると私たちにとっては資産ですが、銀行にとっては負債になります。なぜなら、銀行は利子を付けて預金者に返さなくてはならないからです。その利子を稼ぐために、銀行は預かったお金を企業や個人に融資します。このときに資本主義経済にとって重要な現象が起こります。それは信用創造です。

お金を借りた企業や個人は商品を仕入れるために業者に支払ったり、家を建ててくれた建築会社にお金を払います。支払いを受けた仕入れ業者や建築会社はまた銀行に預けることになります。ポイントはお金を貸し出して実際には金庫の中にお金が入っていないにもかかわらず、預金者の残高が減らないところです。


最初に100万円の預金があったとします。銀行はそのお金を貸し出します。このとき、貸し出しているにも関わらず口座の残高は100万円のままです。貸し出されたお金で支払いを受けたメーカーなどは再び銀行に預けます。ぐるっと回って銀行に100万戻ってきただけですが、口座の残高は全部で200万になりました。これが信用創造です。もちろん、金庫には100万円しかありません。

もし、銀行による信用創造がなかったら大変なことになります。

日本の労働人口は約6400万人ですが、この6400万人全員が去年と同じだけ給料をもらおうと思ったら、貯金をせずに一年間の所得をすべて使い切らなければなりません。 国内の支出=国内の所得=国内の生産というGDP三面等価の原則があるからです。

20万円の給料をもらったということは、どこかの誰かが20万円支出したということになります。 もし、そのどこかの誰かが貯金をして18万円しか支出しなかったら給料は18万円になります。20万支出しなければならないあなたは18万しか支出できず、更に他の誰かの給料が減るといったように所得が摩滅していきます。

しかし、銀行が融資をして貯金したお金を誰かが代わりに支出してやれば、所得は全体として減らずに済みます。貯金をせずに生きていくというのは現実には不可能なので、銀行による融資というのは国民の所得を下支えする大事な機能なのです。

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