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2つの支出

貯金の話では貯金をすると、支出が減少してGDPが縮小するという話をしました。一般的に給料の一部を貯金する人は多いと思います。老後や子供の学費といった将来に備えることはよいことですが、一方で倹約をして支出を減らすと、他の人の所得が減ることになります。所得が減った人も更に貯金をして、更に少ない支出をするといった縮小のサイクルが起こると、徐々に景気は下降していきます。

お金は銀行などの金融機関に預けて、銀行は預かったお金を企業や住宅購入する個人などに貸し出します。これらの企業や個人が借りたお金を遣うことで、貯金で減った支出(支出面のGDP)を底上げして景気の減速を防ぎます。いくら、景気が悪くなるからといっても、ある程度の貯金をもつことは安定した社会生活を送る上で必要なことです。なので、金融機関の貸し出しが景気を左右する上で非常に重要になります。

銀行が貸すのは主に企業で、借りたお金で工場を建てたり、加工機械を買ったり設備投資を行います。このことから、借金による支出を投資ということが多いようです。しかし、自動車ローンでスポーツカーを買った場合、それは投資とは言いにくいでしょう。

また、株式投資やFXなどはこの場合は投資には入りません。ここで言う投資というのは、GDPに計上できる支出のことです。GDPというのは誰かが作ったものやサービスを買うときにだけ計上できます。株は単に所有者が変わっただけで、付加価値をつけて生産されたものではありません。土地の売買も同様で、新しく付加価値が生産された訳でなく、所有者が変わっただけなのでGDPには含みません。このように投資という言葉は結構曖昧なので、そのまま借入による支出と理解したほうがわかりやすいかもしれません。

GDPは所得からの支出と借入による支出の2種類の支出によって、構成されていると言うことができます。いわゆる経済学ではこのことを消費と投資と言います。個人消費が伸びないとか、企業の設備投資が十分でないなどと新聞などに載っていることがありますが、これは所得からの支出が伸びず、企業の借入による支出が十分でないと読み替えることができます。

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