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グローバル化について

盛んにグローバル化ということが言われています。グローバル化の意味は何となくわかるのではないでしょうか。貿易を自由に行い、世界を相手に企業がビジネスを展開するようなイメージは、誰しもがもつことでしょう。グローバル化というのは国境を越えて人、物、お金(資本)が自由に行き来することを言います。

ユーロは2000年から人、物、お金の移動が自由になりました。ユーロに加盟している国同士であれば、パスポートなしで行き来ができます。共通の通貨にすることで、ドイツからフランスに自転車で買物に行って、戻ってくると言ったことも可能になりました。ユーログローバリズムということができるでしょう。

日本なら隣の県に買物に行くくらいの気楽さです。このように規制をなくすことで経済が効率的になります。ヨーロッパを観光するのに、昔だったらマルクやフランといった、それぞれの国の通貨にお金を交換しながら旅をしていましたが、ユーロになってからはそういった手間がなくなりました。

観光を主な産業にしていたギリシャは、共通通貨のユーロは大変魅力的でした。パスポートもいらずお金の交換もなしに旅行に行けるとなれば、イタリアに来たついでにちょっとギリシャまで足をのばそうか、と考える旅行客が増えたとしても不思議はありません。ただし、ユーロ加盟には条件があり、財政赤字がGDPの60%以下で毎年の赤字は3%以下である必要があったのです。この基準を満たせなかったギリシャは財政赤字などの情報を粉飾したことが問題になりました。

人の行き来が自由で物の行き来も自由となれば、経済的にはほとんど国内と同様になります。フランス人がドイツのスーパーに行ってイタリアのビールを買う、というような光景も当たり前になります。これは商売をする上では画期的といえます。

ただし、問題がないわけではありません。おかしな言い方かもしれませんが、日本国内は完全にグローバル化されています。福岡から佐賀に行くのにパスポートはいりませんし、関税もありません。なので、佐賀の人は休みになると福岡市内に買物に出て行きます。自ずと佐賀県の経済は潤わず税収も低くなります。これが東京や大阪だともっと顕著になります。

自由に商売ができるようになればなるほど、地域間での偏りが生じてきます。経済が潤わない地方都市は財政が苦しいところがほとんどです。佐賀の場合は平成26年度の予算のうち、48%が地方交付税と国庫支出金で国からのお金になります。ほぼ半分は国からお金をもらっているわけです。一方の東京は国からお金はもらっていません。

東京は経済が活発で十分な税収があるために、国の助けは必要ないのです。多くの地方自治体は国からの援助で行政サービスをまかなっています。もし、国からの援助がなければ地方は立ち行かないでしょう。

実は佐賀と同じ問題を抱えているのがギリシャです。ユーロの中でギリシャは経済的に他の国に比べて押されています。ギリシャには観光と海運くらいしか輸出できるような産業がありません。いわばユーロの中のパッとしない地方都市なのです。日本国内であれば地方交付税や国庫支出金などでカバーしてもらえますが、外国であるドイツやフランスからお金をもらうことはなかなか難しいでしょう。なぜなら、違う国民だからです。

同一国内であれば、地方交付税といった再分配をしてもらえるとこを、ギリシャはお金を借りることで凌いできました。本来、共通通貨やグローバリズムといったことは、同じくらいの経済力同士でないとなかなかうまくいきません。 一方的に商売を展開されると税収などに偏りが出てしまうからです。 日本国内であれば同じ国民だから助けてもらえますが、ドイツ人はギリシャにお金をあげることに猛反対するでしょう。グローバル化は経済が一体化することです。しかし、そこには政治的な一体性がなければ持続できません。自由に経済活動するグローバル化は、お金持ちと貧しい人、お金のある自治体と無い自治体といった、偏りを乗り越える必要があります。同じ国民でもなかなか難しいのに、外国の国民となるとなかなか難しいと言わざるを得ません。

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